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2026年10月31日 ・ 読了目安 9 分

介護の重要事項説明書に書く項目は?|運営基準と兵庫県ガイドラインの24項目

介護事業所の重要事項説明書に書く項目を、国の運営基準(平成11年厚生省令第37号)は一つずつ挙げていません。第8条第1項が求めているのは、「運営規程の概要、訪問介護員等の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項」を記した文書を交付して説明し、同意を得ることです。項目を細かく並べているのは、自治体のガイドラインです。兵庫県の「重要事項説明書及び契約書のガイドライン」(令和6年版)は、全サービス共通の24項目と、サービスごとの個別項目を示しています。 この記事では、国の条文・通知と兵庫県ガイドラインの原文で確認できた範囲を、表にまとめます。

介護の重要事項説明書には、法令上どの項目を書くのですか?

訪問介護の条文を例に、国の文書が重要事項について書いていることを並べます。

出典書かれていること
運営基準 第8条第1項(訪問介護)提供の開始に際し、あらかじめ、第29条に規定する運営規程の概要、訪問介護員等の勤務の体制その他のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明し、同意を得なければならない
運営基準 第29条(運営規程)運営規程に定める事項は8つ。①事業の目的及び運営の方針 ②従業者の職種、員数及び職務の内容 ③営業日及び営業時間 ④指定訪問介護の内容及び利用料その他の費用の額 ⑤通常の事業の実施地域 ⑥緊急時等における対応方法 ⑦虐待の防止のための措置に関する事項 ⑧その他運営に関する重要事項
解釈通知(老企第25号)第3の一の3(2)運営規程の概要、訪問介護員等の勤務体制、事故発生時の対応、苦情処理の体制、提供するサービスの第三者評価の実施状況等の、サービスを選択するために必要な重要事項について、わかりやすい説明書やパンフレット等の文書を交付して懇切丁寧に説明し、同意を得る。同意は書面で確認することが望ましい
運営基準 第32条(掲示)事業所の見やすい場所に重要事項を掲示する(第1項)。重要事項を記載した書面の備え付けと自由な閲覧で、掲示に代えることができる(第2項)。原則として、重要事項をウェブサイトに掲載する(第3項)

確認した範囲では、条文と通知は、重要事項に入れるものを例示するだけで、項目を網羅した一覧は示していません。 重要事項説明書の中身は、運営規程の概要を軸に、事業所を指定した自治体のガイドラインやひな形に沿って組み立てることになります。

第32条第3項のウェブサイト掲載には経過措置がありました。令和6年の改正省令(令和6年厚生労働省令第16号)の附則第2条は、施行の日から令和7年3月31日までの間、この項を適用しないものとして扱っていました。 令和7年4月1日以降は、原則としてウェブサイトへの掲載が必要です。掲載先や方法の細目は、この記事では確認していません。指定した自治体の案内をご覧ください。

兵庫県のガイドラインが挙げる、共通の24項目は?

兵庫県のガイドライン(令和6年版)は、第2「重要事項説明書」の「各サービスに共通した事項」として、次の24項目を挙げています。右の欄は、ガイドラインが記載を求めている内容の要点です。

番号項目ガイドラインが記載を求める内容
(1)事業者の表示法人格と法人名称、代表者の役職名・氏名、登記簿記載の所在地、設立年月、連絡先部署名、電話番号、電子メールアドレスなど。医療機関等の個人事業者では不要
(2)事業所の表示指定を受けた事業所の名称、指定事業所番号、所在地(ビルは建物名・階数・部屋番号まで)、電話番号、開設年月、営業日・営業時間
(3)事業所の責任者管理者の職氏名。管理業務以外を兼務する場合は、その事業所名と業務の内容
(4)事業実施地域運営規程記載の市町村名。地域内は交通費がサービス利用料金に含まれること。地域外で交通費が必要ならその旨
(5)事業の目的及び運営方針運営規程で定めた内容を要約して、分かりやすい表現で
(6)従業員職種、職務内容、人数。介護サービスを提供する従業員とそれ以外を分け、常勤・非常勤別(非常勤は常勤換算人数も)。員数は「○人以上」の記載でも差し支えない
(7)サービス内容と料金介護保険適用部分とそれ以外に分け、1回当たりの料金、利用者負担額、支払方法。保険適用外の料金を改定するときは1月以上前に文書で連絡することも書く
(8)サービス提供の手順利用申込みから、サービス提供、利用者負担の支払いまでの手順
(9)相談窓口窓口、担当責任者名、開設時間、相談の方法。保険者の市町と国民健康保険団体連合会の窓口も
(10)担当者の変更等担当者の変更を希望する場合の対応と、相談体制
(11)秘密の保持正当な理由なく知りえた秘密を漏らさないこと。サービス担当者会議等で個人情報を用いる必要性と、同意しない場合の不都合。同意書の有効期限は契約期間と同じ
(12)家族等への連絡希望があれば、利用者に連絡するのと同様の通知を家族等へも行うこと
(13)記録の保管サービス提供の記録を5年以上の期間を定めて保管すること。記録の閲覧と、実費での写しの交付は、本人及び家族に限り可能であること
(14)緊急時の対応事故発生や体調悪化の際に、家族や医師への連絡など、事業者が行う具体的な内容
(15)虐待の防止委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者の配置の具体的な内容
(16)業務継続計画の策定等感染症・非常災害の発生時の業務継続計画の策定、研修及び訓練の実施状況
(17)衛生管理等感染症の予防及びまん延防止のための措置(委員会の開催、指針の整備、研修及び訓練の実施)
(18)損害賠償事業者に責任がある場合の方針。故意又は重大な過失の場合にのみ責任を負う規定や、賠償額に上限を設ける免責条項は設けてはいけない
(19)損害保険への加入賠償責任保険等への加入の有無と、契約内容の情報開示の方法(または適用対象と補償範囲)。賠償が制限されると取られる書き方はしない
(20)第三者評価の実施状況実施の有無、直近の実施年月日、評価機関の名称、評価結果の開示状況
(21)留意事項サービス利用上の留意事項と、担当者の禁止行為(営利行為・宗教勧誘の禁止など)
(22)重要事項の変更変更を利用者に通知する方法と、同意を確認する方法
(23)重要事項説明の確認等説明・交付の時間と場所、事業者・説明者・利用者(代理人を選定している場合は代理人、家族が立ち会う場合は立会人)が署名または捺印する欄
(24)重要事項の掲示見やすい場所に、運営規程の概要等と合わせて掲示する(書面の備え付けと自由な閲覧でも可)。原則として重要事項をウェブサイトに掲載する(令和7年4月1日から適用)
この表は、兵庫県が兵庫県内の事業所に向けて示したガイドラインの内容です。他の都道府県・市町村にそのまま当てはまるとは限りません。事業所を指定した自治体のガイドラインやひな形を、先にご確認ください。

ガイドラインは、記載のしかたにも注意を示しています(第1 共通項目)。文章は高齢者に理解しやすい平易なものにし、専門用語や外来語には解説を加える。淡色の用紙に12ポイント以上の濃色の文字で記載する。項目はゴシック体などで強調する。 パンフレットを作る場合は、重要事項説明書及び契約書と異なる内容を載せない。重要事項説明書及び契約書は、要求があれば事前に交付する、という内容です。

(23)の説明の確認等の欄について、ガイドラインは、電磁的方法で締結する場合は、書面の署名または記名・押印に代えて電子署名を活用することが望ましいとしています。 電子での交付と同意の取り方は、重要事項説明書の電子交付の記事で整理しています。

訪問介護の重要事項説明書には、共通項目のほかに何を書きますか?

兵庫県のガイドラインは、第2の「各サービスの個別事項」で、サービスごとに追加で書く項目を示しています。訪問介護に当てはまるものは、次の6つです。

項目ガイドラインが記載を求める内容
サービスの内容身体介護中心、生活援助中心、通院等のための乗車又は降車の介助が中心のうち、どの程度のサービスが提供可能か、提供可能な具体的な内容。通院等乗降介助が使える事業所は、利用できる者、具体的な内容、移送部分は別途運賃が必要であること等
契約の解約・終了利用者からは、一定の予告期間(1週間以内の期間とすることが望ましい)までに通知すれば自由に解約でき、解約料は徴収しない。事業者からの解約はやむを得ない場合のみで、1か月以上の期間を置き、理由を通知する。やむを得ない場合の例に、一定期間以上(3か月以上とすることが望ましい)の利用料金の滞納で、申し入れても改善されない場合を挙げている
利用サービスの予約取消し前営業日の○時○分(営業終了時間)までに連絡すれば取消料を徴収しない。徴収する場合でも、利用者負担額を超えないことが望ましい。急病等のやむを得ない理由では徴収しない
身体的拘束等の禁止利用者や他の利用者等の生命・身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、行ってはならない。やむを得ず行う場合は、その態様及び時間、心身の状況、緊急やむを得ない理由を記録する
サービス提供計画等運営基準で作成することとされている計画を、利用者又は家族に説明して利用者の同意を得て作成し、利用者に交付し、その計画に基づいてサービスを提供すること
身分証明書の携行介護支援専門員及びサービス提供担当者等は身分証明書を携行し、初回訪問時と、利用者又は家族から求められたときに提示すること

ガイドラインは、「解約」を事業者との契約全体を将来に向かって解約すること、「予約取消し」を1回ごとのサービスを断ることと区別しています。 重要事項説明書に書くときも、この2つを混ぜないようにします。

重要事項説明書と契約書で、書く内容は揃える必要がありますか?

兵庫県のガイドラインは、第3「契約書」で、重要事項説明書との関係を3つ定めています。

項目ガイドラインが定めていること
重要事項説明書の準用(1(4))重要事項説明書に書いた内容を契約書にも書くか、契約内容の一部とする。契約内容の一部とする場合は、その旨を書き、必ず契約書に重要事項説明書を添付して、一体のものとして交付する
矛盾する内容の記載の禁止(1(5))契約書に、重要事項説明書と矛盾する内容を書いてはならない
不意打ち条項の禁止(1(6))重要事項説明書に書かれていない損害賠償の制限や事業者側からの解約規定を契約書に書くなど、利用者が予想できない不利な内容を書いてはならない

料金や解約の条件など、重要事項説明書と契約書の両方に出てくる項目は、どちらかを直したときにもう一方も直す必要があります。 契約書の保管期間は、契約書・重要事項説明書の保管期間の記事にまとめています。

自分の事業所の重要事項説明書を、項目ごとに点検するには?

自治体のガイドラインは更新されることがあるため、点検は手元の最新版で行います。ここでは兵庫県ガイドラインの構成に沿った点検の順番を、5つにまとめます。

  1. 1指定を受けた自治体のガイドラインやひな形を探し、最新版を確認する。兵庫県のガイドラインは令和6年版です。ガイドラインが見つからないときは、運営基準第8条・第29条と解釈通知の例示を土台にして、指定した自治体に確認します。
  2. 2運営規程と、重要事項説明書の記載を突き合わせる。第8条第1項は、第29条の運営規程の概要を説明の対象にしています。営業日・営業時間、通常の事業の実施地域、利用料その他の費用の額、緊急時の対応方法、虐待防止の措置が、運営規程と同じ内容になっているかを見ます。
  3. 3変わったときに直す項目を、一覧にして見直す。ガイドラインは、従業者の員数が日々変わりうることから、「○人以上」と書くことも認めています。人数のほか、管理者、料金表、第三者評価の実施状況、虐待防止・業務継続計画・衛生管理の取組、相談窓口の連絡先は、変わったときに直す項目です。
  4. 4説明の確認欄に、日時・場所・説明者・立会人が残る形になっているかを確かめる。ガイドライン(23)は、説明・交付の時間と場所、事業者・説明者・利用者・代理人または立会人の署名または捺印の欄を設けるよう求めています。
  5. 5契約書と矛盾していないか、重要事項説明書にない不利な条項が契約書にないかを見る。ガイドラインの契約書の項目(1(4)から(6))に当てはめて点検します。

トリカワスでは、重要事項説明書の項目や様式をどう扱いますか?

トリカワスは、契約書・重要事項説明書・同意書を、PDF や Word のまま登録して使う電子サインのサービスです。 項目の並べ方や文面は、事業所でお使いの様式のままで、トリカワスが決めたり変えたりはしません。 どの項目を入れるかは、事業所を指定した自治体のガイドラインやひな形に沿って、事業所で整えてください。 タブレットで説明して署名をいただき、その場にいないご家族には、メールで署名用のリンクを送れます。 事業所の控えは PDF で保管され、利用者名や締結日で探して印刷できます。 月額は建物1棟あたり4,980円(税込)です。30日間無料。クレジットカードの登録は不要です。

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