2026年10月20日 ・ 読了目安 6 分
介護の重要事項説明書は電子交付できる?|根拠の条文と、紙をやめる手順
介護サービスの重要事項説明書は、条件を満たせば紙に代えて電子で交付できます。根拠は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)の第8条第2項です。 条件の中心は、利用申込者またはその家族の承諾を、方法を示したうえで得ることです。 この記事では、条文と通知の原文で確認できる範囲に絞って、条件と手順を整理します。
重要事項説明書を電子で交付する根拠は何ですか?
第8条第1項は、サービスの提供開始に際し、重要事項を記した文書を交付して説明し、利用申込者の同意を得ることを求めています。 第2項は、利用申込者またはその家族からの申出があった場合に、文書の交付に代えて電磁的方法で提供できると定めています。 この方法で提供したときは、文書を交付したものとみなされます。
第8条は訪問介護の条文です。通所介護は第105条の準用により、第8条が同じように適用されます。 サービス種別ごとに同趣旨の規定があり、施設系や地域密着型は別の基準省令に置かれています。 事業所が提供するサービスの基準を、それぞれ確認してください。
電子交付に必要な条件は何ですか?
第8条第2項から第6項の要点は、次のとおりです。
| 項 | 条文が求めていること |
|---|---|
| 第2項 | 利用申込者またはその家族からの申出があり、その承諾を得て、次のいずれかの方法で提供する。(1) 回線を通じて送信し、相手方のパソコンのファイルに記録する方法 (2) 事業者のファイルを回線を通じて閲覧に供し、相手方のパソコンのファイルに記録してもらう方法 (3) 記録媒体に記録して交付する方法 |
| 第3項 | 提供する方法は、利用申込者またはその家族がファイルの記録を出力して、文書を作成できるものであること |
| 第5項 | あらかじめ、用いる電磁的方法の種類と内容を示し、文書または電磁的方法で承諾を得る |
| 第6項 | 承諾を得た後に、電磁的方法による提供を受けない旨の申出があれば、電磁的方法で提供してはならない(再び承諾を得た場合を除く) |
条件は、承諾、方法の明示、出力して文書にできること、の3つに整理できます。 利用者側が断れば、紙に戻す必要があります。電子交付は、事業所の都合だけで決められる方法ではありません。
説明と同意は、電子でもよいのですか?
第217条第2項は、交付、説明、同意、承諾、締結などのうち、省令で書面で行うことが規定されている、または想定されるものについて、相手方の承諾を得て、書面に代えて電磁的方法によることができると定めています。 同じ条の第1項は、書面の作成と保存を電磁的記録で行えることを定めています。
厚生労働省の通知(介護保険最新情報 Vol.934 に収録された、老企第25号の改正部分)は、これを次のように説明しています。
| 場面 | 通知の書きぶり |
|---|---|
| 交付 | 第8条第2項から第6項までの規定に準じた方法によること |
| 同意 | 例えば、電子メールで利用者等が同意の意思表示をした場合等が考えられること |
| 締結 | 契約関係を明確にする観点から、書面における署名または記名・押印に代えて、電子署名を活用することが望ましいこと |
| 共通 | 事前に利用者等の承諾を得ること。個人情報保護委員会と厚生労働省のガイダンス等を遵守すること |
指定権者によって扱いは変わりますか?
指定権者(都道府県・市町村)の運用で、扱いが異なる場合があります。 運営指導で見られる書類の形式や、承諾の記録の残し方は、自治体ごとに確認の窓口があります。 導入前に、事業所を指定した自治体の介護保険担当課へ、電子交付の運用を問い合わせておくと安心です。 運営指導で契約書・重要事項説明書が何を確認されるかは、運営指導の記事で整理しています。
紙をやめるには、何から始めればよいですか?
- 1対象のサービスの条文を確認する。提供しているサービスの基準省令で、重要事項の説明と電磁的方法の条を読みます。
- 2電磁的方法の種類と内容を決める。メールで送るのか、画面で閲覧してもらうのか、ファイルの形式は何かを、事前に決めます。
- 3承諾を得る。決めた方法の種類と内容を利用申込者またはその家族に示し、文書または電磁的方法で承諾をいただきます。承諾を得た事実を記録に残しておくと、運営指導の場で説明しやすくなります(残し方は条文に定めがありません)。
- 4出力できる形で提供し、説明して同意を得る。利用者側が印刷や保存をできる形式にします。同意の記録は、事業所で保管します。
- 5断られたときの紙の経路を残す。電磁的方法を望まない方には、従来どおり文書を交付します。
トリカワスでは、どこまでできますか?
トリカワスは、契約書・重要事項説明書・同意書を、PDF や Word のまま登録して使う電子サインのサービスです。 タブレットで説明して署名をいただき、その場にいないご家族には、メールで署名用のリンクを送れます。 控えは、紙に印刷してお渡しすることも、ご家族のスマホやメールにお送りすることもできます。事業所の控えは PDF で保管され、利用者名や締結日で探して印刷できます。 料金は建物1棟あたり月額4,980円(税込)で、30日間は無料です。
出典・確認日
- ・e-Gov法令検索「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)第8条・第105条・第217条
- ・厚生労働省 介護保険最新情報 Vol.934(令和3年3月16日)老企第25号の改正部分 第5 雑則(WAM NET掲載)
本記事の制度に関する記述は 2026-10-20 時点で公開されている情報に基づきます。制度・様式は変わることがありますので、最新の内容は発出元と、指定を受けている都道府県・市町村でご確認ください。