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2026年10月23日 ・ 読了目安 6 分

介護の契約書・重要事項説明書に本人が署名できないときは?|代筆と代理人の違い

利用者が署名できないときの扱いは、国の基準(指定居宅サービス等の運営基準・平成11年厚生省令第37号)の第8条の条文には書かれていません。 枚方市と東大阪市の重要事項説明書モデル様式のメモは、手指の障害などで文字が書けないだけなら、利用者氏名欄の欄外に「署名を代行した旨」「署名した者の続柄」「氏名」を付記する、行為能力が十分でないなら、代理人(法定代理人・任意代理人)を選んで行う、と書いています。 この記事では、2市の原文と、国の条文・通知で確認できた範囲に絞って整理します。

本人が署名できないとき、代筆と代理人はどう違いますか?

2市のモデル様式は、署名欄の下に同じ趣旨のメモを付けています。メモの内容を、状況別に並べます。

利用者の状況モデル様式のメモの扱い書類への残し方
手指の障害などで、単に文字が書けない利用者氏名欄の欄外に、署名を代行した旨、署名した者の続柄、氏名を付記することで差し支えないものと考える利用者の欄に氏名を書き、欄外に「上記署名は、〇〇(続柄)が代行しました。」の形で付記する
契約によって生じる権利義務の履行を行い得る能力(行為能力)が十分でない代理人(法定代理人・任意代理人)を選任し、説明を受けること、内容への同意、サービス提供契約の締結を行うことができる。任意代理人は、本人の意思や立場を理解しうる立場の者(たとえば同居親族や近縁の親族など)であることが望ましい署名欄の「代理人」の住所・氏名の欄に記入する(署名欄は「利用者」と「代理人」の2組)
上記以外(原則)重要事項の説明を受けること、内容に同意すること、サービス提供契約を締結することは、利用者本人が行うことが原則「利用者」の住所・氏名の欄に、本人が記入する

どの場合も前提は同じです。メモは、サービスの提供は介護保険の給付を受ける利用者本人の意思に基づくものでなければならない、と書いています。 つまり、代筆も代理人も、本人の意思に代わるものではなく、本人の意思を書類に残すための方法です。

代筆(署名の代行)は、どう書き残せばよいですか?

モデル様式の記入例にならうと、次の形になります。利用者の欄に氏名を書き、その欄の欄外に、代行した人を付記します。

利用者

住所 〇〇県〇〇市△△町1丁目1番1号

氏名 〇〇 〇〇

上記署名は、□□ □□(子)が代行しました。

付記に入れるのは、メモが挙げている3点(署名を代行した旨、署名した者の続柄、氏名)です。 氏名は代行した人のものです。続柄は、利用者から見た関係(例では「子」)を書きます。

代理人が署名するのは、どんなときですか?

メモが代理人を挙げているのは、利用者の行為能力が十分でない場合です。文字が書けないだけの場合とは分けて書かれています。 代理人には、法定代理人と任意代理人があり、任意代理人については、本人の意思や立場を理解しうる立場の者が望ましいとされています。

民法第99条第1項は、代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる、と定めています。 代理人が署名するときは、本人の代理人としての署名であることが、書類の上でわかるようにしておきます。 モデル様式が署名欄を「利用者」と「代理人」の2組に分けているのは、この区別を書類に残すためと読めます。

国の基準は、代筆や代理人の署名について何を定めていますか?

国の基準で確認できたのは、次の2点です。

確認先書かれていること
省令第37号 第8条第1項(訪問介護の例)提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者またはその家族に対し、重要事項を記した文書を交付して説明を行い、提供の開始について利用申込者の同意を得なければならない。署名、押印、代筆、代理人の語は出てこない
老企第25号 第3の3(1)(厚生労働省 法令等データベース掲載の文面)同意については、利用者及び指定訪問介護事業者双方の保護の立場から、書面によって確認することが望ましい。代筆や代理人による署名の扱いは、この項では書かれていない

署名の形は、枚方市のモデル様式のメモが「署名又は記名(必要に応じて押印)」と書いています。 説明に基づいて契約を締結する場合に、利用者及び事業者の双方が、契約内容の確認を事前に行った旨を文書で確認するために行うものです。

代筆の付記や代理人の欄といった具体的な扱いは、国の条文や通知ではなく、自治体が示す様式とメモに書かれています。 確認できた2市は、どちらも大阪府内です。事業所を指定した自治体が別の様式や扱いを示している場合は、そちらに従います。 押印や電子署名が通知でどう書かれているかは、重要事項説明書の電子交付の記事で整理しています。

署名できない利用者の書類は、事業所でどう点検すればよいですか?

モデル様式のメモの文言から読み取れる点検を、5つにまとめます。

  1. 1本人の意思で同意していることを確かめる。代筆でも代理人でも、前提は利用者本人の意思に基づくことです。説明を受けて本人がどう答えたかを、職員が把握できるようにしておきます。
  2. 2代筆か代理人かを分けて記録する。文字が書けないだけなのか、行為能力が十分でないのかで、メモの扱いが分かれます。書類に、どちらの扱いかが見て取れるようにします。
  3. 3代筆なら、欄外の付記が3点そろっているか見る。署名を代行した旨、署名した者の続柄、氏名の3点です。
  4. 4代理人なら、代理人欄の住所・氏名と、本人との関係を見る。任意代理人は、本人の意思や立場を理解しうる立場の者であることが望ましいとされています。
  5. 5事業所を指定した自治体の様式と扱いを確認する。今回確認した2市のメモが、他の自治体にそのまま当てはまるとは限りません。

運営指導で契約まわりとして確認される文書は、重要事項説明書(同意があったことがわかるもの)と利用契約書です。詳しくは運営指導の確認項目の記事にまとめています。

トリカワスでは、署名できない方の契約をどう扱いますか?

トリカワスは、契約書・重要事項説明書・同意書を、PDF や Word のまま登録して使う電子サインのサービスです。 契約の準備画面で「本人は署名できない(代わりの方が署名します)」を選ぶと、代わりに署名する方を「代理人」または「成年後見人」から選び、氏名・住所・続柄を入力します(続柄は、成年後見人のときは任意です)。 事業所の控えは PDF で保管され、利用者名や締結日で探して開き、印刷できます。 代筆や代理人の署名をどう扱うかは、事業所を指導する自治体の判断によります。この記事は、2市のモデル様式と国の基準が示している範囲です。 月額は建物1棟あたり4,980円(税込)です。30日間無料。クレジットカードの登録は不要です。

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